山岸凉子の『日出処の天子』を読み返しています。
どうも、主人公の厩戸王子(うまやどのおうじ)をはじめ、
そのほかの歴史上の有名人たち・・・
蘇我毛人、馬子、額田部女王、山背大兄王らが、
史実よりも漫画の印象のままに深~く記憶されてしまい、
完全にリアルと二次元がカオス状態です。
『日出処の天子』を読まなかったら、毛人や馬子に、
これほど親しみも感じなかったことでしょう。
逆に、泊瀬部大王(崇峻天皇)や物部氏などは、印象が最悪に。
「これは漫画なの~」と、自分に言い聞かせつつ読んでいます。

1980年代の作品ですが、ストーリーも絵のクオリティも
古めかしさは微塵も感じられない。
カラーイラストの洗練された色彩感覚は、
山岸凉子の美意識の真骨頂のような気がします。
「ゲッシング・ゲーム」(1972年)に衝撃を受けた者としては、
あの物語が熟成されて、『日出処の天子』になったのだなあ
と、勝手に納得しています。

* 聖徳太子が書いた予言書とされる「未来記」について
信じるか信じないかは、あなた次第
http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou/d/20170730* 毎日新聞、日出処の天子に法隆寺カンカンとねつ造していた
http://zarutoro.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_bf2e.html