あの英国王室まで総動員した周近平への歓待は一体なんだったのでしょう。英国の大銀行HSBCが中国の企業スポンサーをそろりと降りはじめ、香港を敬遠してアメリカへの脱出を計画していることを、英国政府が知らないわけないと思うのですが。それもこれもいろいろ勘案したうえでの金の馬車だとしたら、イギリスという国の外交にしみじみ味わい深いものを感じますね~。
英HSBC、チャイナリスク回避へ 香港から移転検討 中国の市場介入に疑念 2015.10.27
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欧州最大の金融グループ、英HSBCが検討中の本社の移転先として、母体銀行の拠点だった香港ではなく、米国を有力候補としていると報じられた。香港が敬遠される最大の理由は、中国の政治リスクだという。習近平国家主席を歓待したキャメロン英首相に冷や水を浴びせるような展開となっている。
HSBCは1865年に香港で業務を開始した香港上海銀行が母体で、銀行や金融サービスを世界的に手掛ける欧州最大規模の金融グループ。資産額は約2兆6000億ドル(313兆円)で、英国全体の経済規模に匹敵するという。
1993年からロンドンに本社を置いているが、英政府が銀行に対する規制を強化し、今年4月には銀行税の税率を引き上げる方針を打ち出したことに反発し、本社移転を検討すると表明したのだ。2014年に約11億ポンド(2040億円)という業界最大規模の税金を納めたとされるHSBCに去られると、英国の財政にとって大きな痛手となる。
本社の移転先としては香港が有力視されていたが、英フィナンシャル・タイムズ紙によると、中国政府の支配という政治リスクで再考を余儀なくされ、金融行政の透明性が高い米国が候補になったとみられる。
HSBCのアドバイザーは、今年6月以降の上海株の暴落で、中国政府が市場に介入したことが、香港への移転に疑念を持たせたと明かした。また、香港に移転した場合、米英の当局者を激怒させることも懸念材料となったという。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151027/frn1510271550002-n1.htm