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日出処の猫

広島に原爆が落ちなかったもう一つの世界へ・・・近藤ようこの「五色の舟」で異形の者たちが辿り着いた世界とは

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広島に原爆が落ちなかったもう一つの世界へ・・・近藤ようこの「五色の舟」で異形の者たちが辿り着いた世界とは

物語は終戦間近の山陽地方、家族のように暮らす異形の見世物一座が、岩国で人頭牛躯の妖怪「件(くだん)」が産まれたという噂を聴き付け、仲間に入れようと現地を訪ねるところから始まります。しかし件(くだん)は、一足違いで特殊能力を見込んだ軍部の手によって搬送されるところでした。去って行く件(くだん)と目が合った一座の和郎はその後、五色の舟で漂う不思議な夢をみるようになるのですが・・・。

五色の舟 (ビームコミックス)
件(くだん)とは、古くから日本各地で知られる妖怪で、「件」の字のごとく半人半牛の姿をした怪物として知られています。歴史に残る戦争や大凶事が起こる1年ぐらい前に現れて、数々の予言をした後に消えるという伝説があります。件の絵姿は厄除招福の護符になるともいわれますが、昭和時代には予言の神秘性、特に日本に悲惨なことが起こる前兆として恐れられています。神戸の大震災の1年前から、神戸近辺で髪の長い女性の件(女性顔・体は牛)が現れて「逃げなさい」と告げていたという目撃例があったそうです。(Wikipedia ほか)

物語の中で件(くだん)は、日本に関するある重要な予言をします。軍部の狙いはその予言を聞き出すことだったのですが、図らずも和郎をはじめとする異形の一座も件の予言によって大きく運命を変えられていくことになります。津原泰水の原作小説を読むと、その映像化は不可能とも思える衝撃的な世界観なのですが、近藤ようこが清浄な空気感を保ちながら、切なく、妖しく、ノスタルジックに見事に作品世界を漫画化しています。作品終盤には異形のマッカーサーも・・・。

五色の舟 (ビームコミックス)

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