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日出処の猫

内村鑑三の「人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり」という教え

「お札の顔一新し国の方向性示せ」という記事の中に

<内村鑑三は、大正15年に軽井沢の星野温泉の若主人であった星野嘉助に、「成功の秘訣」10箇条を書き与えた。この3代目嘉助は現在、星野リゾートの社長として日本の観光立国戦略に大きな力を発揮している星野佳路氏の先々代に当たるが、その「成功の秘訣」の最後は「人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり」という教えである。>

という一節がありました。これこそ日本の成長戦略の第一項ではないでしょうか。以下記事全文。

代表的日本人 (岩波文庫) 全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)


お札の顔一新し国の方向性示せ
 (新保祐司氏 産経新聞 2014年6月18日)
http://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/140618/clm14061803070002-n1.html

 現在の紙幣の肖像は、10年前から千円札が野口英世、五千円札が樋口一葉、一万円札が福沢諭吉となっているが、以前は千円札が夏目漱石、五千円札が新渡戸稲造であり、一万円札は今と同じ福沢諭吉であった。

◆ 千円後藤、五千円与謝野…

 お札の顔ぶれをそろそろ変えてみてはどうか。今、日本は大きく変貌しようとしている。政治や外交の面を見ても、第2次安倍晋三政権の誕生以来、日本の在り方が様変わりした感がある。それに伴い、日本の経済や社会の雰囲気もアベノミクス効果もあり、ずいぶんと活気と自信を取り戻しつつあるようである。日本の再生を象徴するものとして普段使っている紙幣の肖像が変わることは、人心に訴えるものがあるではないか。

 2020年東京五輪の開催も控えている。これを機会に世界中のさまざまな国から大勢の外国人が日本にやってくる。そして、彼らは日本の紙幣を手にすることになる。その時、このお札に描かれている人物はどういう人間であるかと思うこともあるに違いない。

 その問いに対して、日本人が誇りを持って説明できる人物であることが望ましい。もちろん、現在の野口英世、樋口一葉、福沢諭吉もそのような人物ではあるが、今後の日本の国家、あるいは国民としての進む方向性というものを勘案して、人物を一新することもいいことではないかと思う。

あえて私案を示すならば、千円札は後藤新平、五千円札は与謝野晶子、一万円札は内村鑑三でどうだろうか。まず、千円札の後藤新平だが、後藤は満鉄初代総裁や内務大臣・外務大臣などを歴任した近代日本の大政治家である。東京市長にもなり、特に関東大震災直後、内相兼帝都復興院総裁として復興計画を立案した人物である。現在の東京という都市の骨格はその復興計画によるところが大きい。五輪の開催に当たって、今日の東京の基盤を作った人物として回想されるべきであろう。

◆ 英文著作読んだ?ケネディ

 後藤は東北・水沢の出身で、東日本大震災からの復興という観点からも、注目されるべきだ。自治三訣(さんけつ)として「人のお世話にならぬよう 人のお世話をするよう そしてむくいを求めぬよう」という言葉を遺(のこ)したこの人物は、日本人に「自治」の精神が求められる、これからの時代に偉大な先人として歴史に刻まれるべきである。

 五千円札の与謝野晶子は、いうまでもなく歌集『みだれ髪』の大歌人で、近代日本の代表的な文学者の一人である。一葉より6歳年下の晶子は、社会における女性の活躍が一層期待される今後の日本にとって振り返られるべき名前であろう。一葉に代わる女性としては晶子がいいように思われる。

一万円札の内村鑑三には、明治41年刊行の『代表的日本人』がある。札幌農学校の同期生、新渡戸稲造の『武士道』や岡倉天心の『茶の本』などとともに、近代日本の代表的な英文著作である。この本は、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人の人物をとりあげているが、上杉鷹山については、ケネディ米大統領のエピソードを思い出す。

 日本人記者団から、日本で最も尊敬する政治家は誰かと質問されて、大統領が上杉鷹山と答えたというものである。鷹山の政治理念は、大統領就任演説の中の有名な、国家があなたに何をしてくれるかを問うのではなく、あなたが国家に対して何ができるかを自問してほしい、という国民への呼びかけと通じるものであった。

 そして、その当時の日本人記者が「戦後民主主義」の教育のせいで鷹山を知らないという悲惨な状態にもかかわらず、ケネディ氏がなぜ上杉鷹山の本質を理解していたかといえば、私の推測では、内村鑑三の『代表的日本人』を読んでいたからである。国際化がますます進展する今後の世界において内村の国際性は高く評価される点であろう。娘のキャロライン・ケネディ氏が駐日大使であるのも、何かの縁である。

 内村鑑三は、大正15年に軽井沢の星野温泉の若主人であった星野嘉助に、「成功の秘訣」10箇条を書き与えた。この3代目嘉助は現在、星野リゾートの社長として日本の観光立国戦略に大きな力を発揮している星野佳路氏の先々代に当たるが、その「成功の秘訣」の最後は「人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり」という教えである。

◆「内村万札」に日本の品格

 「金銭」の一番高額の紙幣の一万円札の肖像に、こういうことを説く内村鑑三がなるということは、金銭を日々使っているわれわれ日本人に「人生の目的は金銭を得るに非」ざることを、絶えず思い出させることに他ならない。近隣諸国とは違う「品性」の高い国家を目指す日本にとって、これは大事なことである。

 日本人初の金メダリスト、織田幹雄の肖像の入った二千円札もいいのではないか。いずれにせよ、紙幣の肖像の変更をすることにより、日本人の精神の在り方を見直す機会が生みだせるであろう。(文芸批評家、都留文科大学教授)


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